理系アメリカ留学ブログ

最近世界の政治状況と性事情に詳しくなってまいりました(実際は主に後者だけですが!)。

理系のアメリカ留学

今回はアメリカの大学と日本の大学との違いについてふれつつ理系学生がアメリカに留学することについて書きたいと思います。今回は1年間の交換留学や短期留学とは違って、本気でアメリカの大学、大学院に入学することを考えてる方向けの記事になります。

 

まず留学を考えるにあたって知らなければいけない大きな違いとして、アメリカのだいたいの学生は日本でいうところのドクターコースまでは研究室に配属しません。日本の典型的な理系大学生は、3年までは授業をにゃんにゃんとこなし、4年になったら研究室に配属され修士まで3年間授業を適当にこなしつつ研究を生活の中心におくというスタイルが一般的かと思います。アメリカは日本と違い研究室に配属しないかわりに、学部、修士一貫し授業中心で、鬼のように課題が出されそれに必死になってみんなで取り組むというのが一般的なスタイルです。大学によっては修士博士過程の区別があいまいの大学もあります。そして博士課程に進んで教授に雇ってもらえればやっと研究室に配属され専門的な研究に取り組めるようになります。これに関しても大学によってこの順番が逆であったりもするようです。学生と教授の関係は日本と違い雇用関係の形に近いです。成績優秀で実力を見せ付けることで教授に雇ってもらい、下働き(雑務やティーチングアシスタント、研究の手伝い)をすることでお金をもらいそれらを学費と生活費にあてます。このようにアメリカと日本では理系に関していうと大きな仕組みの違いが存在します。なのでアメリカの大学院に行くとしたらPhDまで取るくらいの意気込みがないと修士までではただ授業を受けるだけで研究室での研究が一切できないなんてことになります。また、日本でマスターを取りアメリカにPhDを取りに来たはいいが教授にだれにも雇ってもらえず、単位を取得だけして退学なんてことにもなります。それに英語が苦手であれば授業にもついていけずもっと残念な結果になるかもしれません。こちらは課題が多いのでいかに友人を作れるかも重要なポイントです。日本の企業は博士課程軽視の傾向があるようですが(本当かどうかはよく知りませんが)、それが事実であった場合日本で就職を考えているのであればアメリカの大学院留学というのは以外にもリスクになるかもしれません。アメリカに永住するぞ!アメリカ企業に就職するぞ!アメリカで教授になるぞ!とまで意気込んでいるのであれば問題はないと思いますが。僕なんかは授業でやったことはあまり身になりませんでしたが研究では数多くのことを身につけることができました。日本の大学制度は自分のやりたい研究、勉強に集中でき、4年生から高価な実験施設とともに研究ができるという非常に良い面があります。主体的に研究の行える学生にとっては日本の制度の方が良いと思います。

じゃぁアメリカに留学したい場合どうすればいいのかいうと個人的な意見ですがこれらの方法が無難じゃないかなと思います。

 

1.とりあえず大学の交換留学プログラムを使ってアメリカに行ってみる。

2.学部からアメリカの大学に入学してしまう。

3.日本でドクターまでとってしまってからポスドクでいく

4.日本の大学に在学中にアメリカの教授とのコネクションを作り、留学する

 

1は最も一般的な方法だと思います。アメリカの大学院を考えている場合、英語の学習とともに一年間なりなんなりアメリカの大学の様子を肌で体験してみてから進路を考えてみるのは安全な方法だと思います。大学院のマスターコースでの交換留学を用いる場合は留学中に実績をだせば教授がアドバイザとなり博士課程に進学できる可能性があるかと思います。

 

2は入学できさえすれば、アメリカの授業を必死にこなし基礎的な学力と英語力をしっかり身につけれるし、英語はもうできるから院は日本に戻って研究に集中するという選択肢も生まれるかと思います。帰ってすぐ就活しなければならないという問題もありますが。

 

3は日本でドクターを取り研究業績を残せればポスドクとしてアメリカへの道が開けるでしょう。

 

4は僕のパターンです。僕は日本で行われた研究会でこちらの教授とコネクションを作り、研究室の配属と指導を確約してもらい留学しています。この方法は一般的ではないですが研究で実績を残すなり、学会、研究会で積極的にコネクションを作る、もしくはメール電話なりで徹底的にアポイントメントを取るなどすれば受け入れてくれる教授は以外と見つかるんじゃないでしょうか。この場合日本の大学に籍をおきつつとりあえずvisiting scholarの身分で1年間アメリカで研究室生活を送ってみるといったことが可能です。

 

長くなりましたがいかがでしたでしょうか。近年日本の学生が海外にでないと叫ばれていますが、安直に来てみるのもどうかと思います。ですが理系でアメリカの大学に来ている学生は非常に小数なので、留学できれば日本にとって貴重な人材に慣れることは間違いないと思います。この記事ではいくつかの危険性についても触れましたが、是非それを回避できるよう自分にあったプランでアメリカでの留学というのを考えてみてはどうでしょうか。


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